日本ガイシ5

 近年海外展開が成功している日本企業に多く共通している事として、『需要がある場所に、競争力のある商品を売る』ということがある。
 
 例えば、ホンダや公文などのように、バイクが重宝される東南アジアや、統一された教育プログラムが不十分な発展途上国に新たな展開の場を移すことで、
業績を伸ばしている企業もある。ユニチャームも、老人の多い日本や台湾に関しては老人用おむつを売り、若い女性の多い発展途上国には、
子供用のおむつや生理用品を売るというように、売れる市場を見極めることができる企業が海外展開の勝者になっている。

 発展途上国時の日本で一世を風靡したが、先進国になった今では需要が落ちている事業を持つ企業は、このようにして新たな可能性を見つけ成功しているのである。

 買う人がいるところに、他よりも品質の良いモノを売り出したらやっぱり良く売れる。
 これを日本ガイシにも当てはめれないのか探ってみる。
 
現状で特に日本ガイシが注力している事業は、 
 ①中長期的な展望が自動車のフィルターを作るセラミック事業
 ②がいし、NAS電池など世界随一の技術を持つ電力関連事業
の2つ。
つまり、
 ①自動車がよく売れている、今後もさらに増加するであろう国
 ②これから電力の需要やそれに伴うインフラが特に期待できる国
に対して、積極的にアプローチを仕掛けていく必要がある。
 
 やはり日本ガイシも最近のエコの流れに乗っているとはいえ、一昔前の日本のようなインフラと自動車が盛んな所に大きな市場があるといえる。

じゃあ、どこに特に需要の伸びが見られるのか?国別の自動車と電力の推移を見てみよう。

Ⅰ国別の自動車生産推移
 1999年〜2008年の自動車の国別売上の推移 http://www.toyota.co.jp/jp/about_toyota/gaikyo/pdf2009/world.pdf
 「中国:2009年度自動車販売台数、1300万台超の見込み」China Press 2009/12/09 http://www.chinapress.jp/consumption/19346/
 軒並み先進国が売り上げを落とす中、中国の自動車産業は急速な勢いで伸びてきている。
 
Ⅱ国別の電力消費増加
 主要国の電力事情 http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/shuyoukoku/index.html
 主要国の発電電力量の推移  http://www.jepic.or.jp/data/gl_date/gl_date04.html
90年代に入り中国では、電力消費量は約3.8倍と爆発的な伸びを見せ、発電電力量は現在アメリカに次ぎ世界第2位となっても急激に伸び続けている。

 上記の二点からみて、ブラジルも確かに自動車も電力も伸ばしてはいるが、現状を考えるとやっぱり中国、ありきたりだけど中国を抑えることが急務なんだろう。
 
ではどのように中国市場にアプローチをしていけばいいのか?似たような事業をしているところはあるのか?の二点について調べていこうと思う。